建築のコンセプトについて

 私たちが教会を建てるにあたってまず第一に考えたのは、「信仰継承」ということです。
 教会建築という事業は、50年に一度、いえ100年に一度の出来事です。ですから現在の私たちが建てる教会は、次の世代に引き継いでもらわなければなりません。次の世代が安心して信仰生活を送ることが出来る教会を建てなければなりません。次の世代が補修費のことなどにエネルギーを浪費していては、教会の教勢は疲弊してしまいます。これまでの日本の個人住宅は、30年ほどで立て替えをしてきました。それは、一世代の使用に耐えるだけのものでしかありません。しかし、教会は個人住宅ではありません。世代を越えて信仰が養われる場所なのです。つまり、信仰継承のためにも、教会は耐久性に特に優れていなければならないと考えるのです。−それは建物のことばかりではありません。私たち自身の信仰も耐久性がなくてはなりません。−このような概念(コンセプト)を設計の基盤としたのです。具体的には、建築後25年間で必要となる補修費が50万円〜80万円で済むような頑丈な建物を念頭に置きました。そのためには、建築材料の質を落とすことは出来ません。それなのに、少しでも安い建築費で、諸設備も充実させ、見た目にも印象に残るものという相反する(むしのいい)要素を前提としました。よって、祈り、忍耐し、研究し、苦心しなければならないのは当然のことだと思います。
 諫早は、毎年繰り返される大雨、台風、そしてシロアリの被害が深刻な場所です。これらの試練を乗り越えて、24時間・365日、信仰を証し続けてくれる教会は、本当に堅固な建物でなくてはなりません。なればこそ、教会は信仰の確かさを表す事が出来るのではないでしょうか。私たちの「きよめ」の信仰とは、一過性のものではなく、継続と責任を大切にします。いかなる時でも信仰が継承されてこそ宣教も成り立ちます。主を宣べ伝えるためにも、教会という建物は堅固でなくてはならないのです。
 以上のように質実剛健なる建物を目指しましたので、ややもすれば、まるで要塞のようなものになってしまうのではないか、という心配もありました。実際に、初期のアイデアはまるで倉庫のようなものでした。しかし、施工者の経験から、優雅な姿を保ちつつも細部に至るまで頑丈な建物を目指すことが可能であることが分かり、幾度もの手直しの結果、現段階にまで辿り着くことが出来たのです。
 様々な人々と共に、この教会で主なる神様と出会い、ゆっくりと語り合い、讃美し、御言葉を聞く事が出来れば本当に幸いです。

 このウィンドウを消す場合は、閉じる「×」をクリックして下さい。
検索エンジンからこのサブページに直接来られた方はして下さい。